建築十書★
ウィトルウィウス
建築理論・設計・製図
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★ウィトルウィウスとは★
紀元前1世紀ローマ帝国に活躍した建築家
『建築について』(建築十書)を著した。
この書物は現存する最古の建築理論書であり、おそらくはヨーロッパにおける最初の建築理論書である。
ウィトルウィウスについては、『建築について』の著者であること以外には知られず、その出生年、没年、家系は不詳である。
ただし著作からは彼が建築家であることは明らかであり、またアフリカ戦争時にガイウス・ユリウス・カエサルの下で勤務し、アウグストゥスに仕えたことが確認できる。
著作によって名声を得ようとしたようであるが、彼の『建築について』がローマ建築にどのような影響を与えたかは定かではない。
『建築について』はおそらく紀元前30年から紀元前23年の間に書かれたと推測される。
この書において最も知られた理論は、ある建築が成功するかどうかは、職人の技や形式ではなく、建築家の仕事が社会ともつ相関性に依存するというものである。
「よい建築は、堅固さ、快適さ、快という三つの条件によって成り立つ」
とする定式は多くウィトルウィウスに帰せられるが、これが直接彼の理論であるか、それとも翻訳者による敷衍であるかどうかについては議論がある。
『建築について』が現在に伝わるのは、カール大帝によるカロリング朝ルネサンスの賜物である。
他のラテン語著作と同様、このとき作られた多くの筆耕本によって、この本は伝えられた。
現在残る写本は、その多くがこのときに製作された写本のひとつ、大英博物館図書室所蔵ハーレイ写本2767番を定本としている。
ウィトルウィウスの理論は中世においても知られていたが、ルネサンス期の建築家に特に注目され、新古典主義建築に到るまで古典的建築の基準として影響を与えた。
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